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今月の映画誌 Sight & Sound に、トルコの映画監督、Nuri Bilge Ceylanのインタビューが載っていた。近年注目されている映像作家なので、機会を待っているのだが、残念ながらまだ一作も観ていない。
ここでは、'08のカンヌで最優秀監督賞を受賞した新作について語っている。 Three Monkeys ("Üç maymun" / Nuri Bilge Ceylan / Turkey / 2008 ) =============== [ 質問 ] Why so many creaking doors? 何故、軋むドアが多く出てくるのですか? [ Ceylan ] I used creaks instead of music. They create tension and suspense. I am very sensivite to creaks and collect all kinds; some are very painful. We used to live in an old wooden house in which everything creaked. If it's windy, it's like symphony. To understand the feeling of the film, when the summer is ended and autumn is coming, I increased the creaks. ---('Signt and Sound', March 2009, P12) 音楽の代わりに軋む音を使ったんです。軋みは、緊張感とサスペンスを生み出します。僕は軋みの音に敏感で、いろんな軋みを集めています。物によってはかなり痛々しい音です。昔、古い木造の家に住んでいて、ここは全てがギシギシ軋んでいました。風が強いと、まるでシンフォニーでしたよ。作品のムードを伝えるために、夏が終わって秋が来るシーンでは、軋みを増やしました。 =============== ...軋みを集める男。朽ちた木のドア。薄暗い部屋の床。立て付けの悪い椅子。風に揺れる柱。それぞれの「軋み音」をガラスの瓶につめてゆく。時に瓶の栓を抜き、キシリともれる音に、幼い頃暮らした古い家を思い出し、むせび泣く男。(Brothers Quay調?) なんて想像したり。メランコリーな感覚にハっとしたのだった。 そんなこともあってか、なかなか手をつけずにいたトルコの大作家、Orhan Pamuk の "Istanbul" を読み始めたら、のっけから、まさに哀愁とメランコリーがぎっしり詰まっていた。トルコ的憂愁、ヒュズン、というらしい。どっぷりのめり込みたい世界が広がっていた。 そろそろニガ手な春が来てしまうけれど、心は秋で読書に浸ろうか。
by rflux
| 2009-03-02 22:18
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