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『 それでもボクはやってない 』 ( I Just Didn't Do It / 周防正行 / 日本 / 2006 )
これを観た人が、「陪審員制度を早く始めないとヤバいね。」と言っていた。 陪審員制度なんて、国民の意識が全然違うアメリカの真似して、どうするんだろう??法のことはプロに任せておけばいいのに、という「よく判らないけど、とりあえず懐疑的」な意識しかなかったので、この意見には首を傾げた。 でも、これを観ると、その気持ちも理解できる。"国のメンツ" を守るために、無実の一国民の人権を踏みにじる、隔離された世界があるならば、国民を参加させて、少しでも風通しを良くする改善を試みるのも、アリなんじゃないか、と。最善の解決策ではないとしても、早くなんらか大きな改革をしないと、ちょっとヤバかも、と。 混んだ電車での痴漢容疑という、身近なトピックで、完全に主人公の身になり、手に汗握って観てしまう。 淡々と抑えたトーンで話は進み、緊張感を増してゆく。テンションがピークに達する法廷のシーンは圧巻。 良い役者が揃っているが、その中でも、主役の加瀬亮の演技をみるのが楽しかった。法廷に立たされ、緊張と興奮でどもったり、考えながら語尾をのばす話し振り、取り調べのときとは違う証言をする検察側を睨む目にこもった驚愕と怒り、それを必死に抑える様子。 演出の素晴らしさもあって、静かな法廷にて彼の中に渦巻く、ウソだろ?!感、パニック、怒り、極度の緊張などが、そのままこちらに伝わってくるのだ。みんなが真剣に緊張しているから生まれる滑稽さの捉え方もピカイチ。 これを創るには相当の根気と労力が必要だっただろう。ラストのシーンで(監督に)ブラヴォー、よくやった!と拍手したくなる素晴らしい一本でした。
by rflux
| 2007-10-25 15:07
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