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昔アメリカの友人が、「どの季節が好きと訊ねられて、春や秋と答えるのはズルだ。チョイスは、夏か冬なんだよ。」と言っていた。
いずれかと言われれば、迷わず、冬を選ぶ。ひどい寒がりなので、実際に寒さを楽しむわけではないが、動物や植物が眠りに入って静寂が訪れ、凍てつく空気に頭がシャキっと覚醒するような気がする。寒がりだからこそ、ぬくぬくと暖をとるのもうれしい。 この頃の東京の夏の暑さには、不自然で病的な感じがして、怖い。換気のない部屋に大勢で閉じ込められたみたいな。それは間違った状態で、どこかスポっと穴を開けたら、サアっと空気が流れるのではないかと思わせる。 そんな猛暑の夏バテ対策に、そろそろ今年初のウナギでも..とスーパーをぶらぶら。スチロールのトレーに乗っかり、ビニールに包まれてギラギラ輝くそれらの商品に、食欲はそそられなかった。高いし。バタバタうちわで仰ぐ音と「いらっしゃい、いらっしゃい!!」と威勢良く呼びかける録音が繰り返し流れるチープな演出にも興醒めする。 土用丑の日には鰻!、○○地方にいったらあの魚!!、といった伝統的な旬や土地の食材を誰もが気軽に味わえるなどといった特権は、過去、あるいは、一時的な妄想(?)だったのかもなあ、と憂鬱な気分になった。 今まで通りの食を供給するには、明らかに生産と流通の無理・歪みが出てきている。何万という人間が一時に安全で新鮮な鰻をたっぷり食べようなんて、無理な話なのだろう。 出口のない暑さが重くのしかかる今日この頃。
by rflux
| 2007-07-27 15:46
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