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夜中、スニーカーの靴ヒモをおぼつかない手つきで洗っていたら、ヴェロニークのことを思い出した。
ヴェロニークに宛てられた差出人不明の封筒の中身は、黒い紐だけ。彼女は、何も思わずにそれを捨てるのだけど、しばらくしてゴミ箱から汚れた紐を取り戻す。洗面所でしゃばしゃばと洗い、ドライヤーで乾かし、そこに秘められたメッセージを読み取るべく、じっくり眺めてみる。 ポーランドの巨匠、故Krzysztof Kieslowski監督、"The Double Life of Veronique" (「ふたりのベロニカ」,'91) からのワンシーンだ。その一連の繊細で頼りない手つきが頭に残っている。(ま、細いヒモを洗ったりするのは、どうしても不安定な手つきになるよな。) 話の「つじつま」はよく判らないけど、とにかく大好きで、アトランタ時代、何度もデビオを借りてみていた。ストーリーと密接に絡み合うミステリアスでメランコリックな旋律のサントラも愛聴したな。(一番好きなのは、謎解きを仕掛けてくるなんともロマンチックな恋愛ストーリーのところだけど。) 手元に置いておきたかったのだけど、Kieslowski作品の多くが次々とDVD化されるなか、この作品だけライセンスの関係で待てど暮らせどリリースされなかった。 ついに昨年、Kieslowski没10年を迎え、めでたく世界一斉解禁。春にリマスター版で劇場公開、秋にはDVDのリリース。そんなわけで、2006年には、久しぶりにスクリーンで楽しむことが出来た。DVDはまだ入手してないけど、米国Criterion版が欲しいなあと思ってます。
by rflux
| 2007-04-10 22:18
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