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遅ればせながら、ロシアのソクーロフ監督作品「太陽」を観た。
ザラついているけど、柔らかく、深い静寂の下には、抑圧された不安と狂気が渦巻く。眠気を誘いつつ、テンションを緩めない、ソクーロフの魔術。(隣のおばさんは、いびきをかいていましたが。)贅沢なひとときを過ごせた。 主役はイッセー尾形。演技の息づかいというか、リズムが絶妙。時として、少しモノ真似っぽすぎてシラけたけど、やはりあの間の取り方のセンスには、ゾクゾクした。 イッセー氏は、台湾のEdward Yang(楊徳昌)監督の "Yi Yi" (2000)でも、海外の監督のもとに素晴らしい演技をみせてくれた。彼の役の会話の自然さは、イッセー自身による脚本の書き換えと即興に依るところも大きいらしい。ソクーロフはこの作品で、彼を知ったのかな。 ところで、去年、NHK教育で、大好きなロシアのアニメーション作家、ユーリー・ノルシュテイン監督のドキュメンタリーをやっていた。番組では、ノルシュテイン氏が、東京でイッセー尾形の一人芝居を観に行っていた。監督は、大きな感銘を受けて、舞台裏に彼を訪ね、「君には是非とも『外套』を演じて欲しい。君こそがアカー キー・アカーキエヴィッチ*だよ!」と熱く伝えていた。 確かに、イッセー尾形の「外套」、観てみたいな。 *:「外套」の主人公。ノルシュテインは、ここ20数年に渡って、このゴーゴリーの短編小説のアニメーション化作業を続けている。
by rflux
| 2006-09-06 17:22
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