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R&Bのスーパースター、Luther Vandrossが亡くなってから、ちょうど1年経った。
彼のアルバムは1枚も持っていないし、特に好きなアーティストではなかった。 ただ、アトランタに暮らしていた2000年頃、「Luther, the Biggest Non-Crossover R&B Star」という説を私は勝手に提案したのです。つまり、絶対的なカリスマとポピュラリティーを誇る数々のR&Bスターの中において、Lutherが一番白人側へのクロスオーバー度が低かったのではないか、ということ。 Lutherといえば、"The Man"であった。私は彼が絶頂期であった80年代後半に9ヶ月間オハイオの片田舎に暮らした。黒人の女友達とその母親は、決まって、必ず、"Luther!!"と叫んではトロトロにとろけていた。愛を歌わせたらLuther、Slow Jamの王様である。 しかし、Teddy PendergrassやIssac HayesといったSlow Jamのコンテンポラリーたちと比べて、なかなかこれといったクロスオーバーの曲が無かったと感じたのだ。 試しに、2000年当時、アトランタにて調査を行った。 サンプル数25名ぐらい、適当なものである。 「あなたの知っているLutherの曲名を挙げて下さい。」 黒人に聞くと、たとえどんなにヒップで、R&Bなんか絶対聴かないタイプの若い子でさえ、Lutherの曲名は5つぐらいはスラスラとでてくる。大抵、"Any Love~"とか歌い出す。 しかし、白人は知らなかった。音楽オタクでも、もちろん彼の名は知っていても、曲名となると、出て来ない。曲も知らない。レコード屋のおじさん(白人)に、このアイディアを話すと、「確かに、Lutherのアルバムを買っていた白人は、ここ10年で1人しか思い出せない!」と言っていた。(その1人に興味でてしまう。) 彼のコテコテさというのは、R&Bを愛聴する音楽好きのリベラルな白人には、ちょっとダサいし、ヒップな若者にもちょっと濃すぎる、ということなのかもしれない。 NPR(=National Public Radio/アメリカの公共ラジオネットワーク)の黒人系番組(?) "News and Notes with Ed Gordon"では、当然Lutherの死が大きく取り上げられた。そこで、彼は最後までクロスオーバーがうまくいかなかった、という指摘があったので、これはとっくの常識だったのかもしれない。 でも、改めて聴き直すと、Lutherって、やはりうまい。"Dance With My Father"は聴くたびに泣けちゃう。
by rflux
| 2006-06-30 23:42
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