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(2つ前のエントリーからの続き)
ええと、2つ目の話題はですね、Kindleです。アメリカで発売時から気になり、日本でも発売されたので、ついに年末に日本のアマゾンで、Paperwhiteバージョンを手に入れた。 しかし、ほくほくとログインしてから気づいたのだけど、アマゾン・ジャパンでKindleを買うと、Amazon.co.jpでのみ買い物することになるようです、ね?つまり、洋書を買っても、たとえばアメリカのAmazon.comでの価格とは全然違って、1円=100円ぐらいの割高となってしまう。一台でアメリカと日本、2つのアカウントを使い分けて買いたかったのに。 そして、日本語の本は、現時点では、ものすごく限られている。たとえば、「ロシアの小説」というカテゴリーに入っていっても、翻訳されたロシア人による、あるいは、ロシア語で書かれた書籍はほんの3-4冊で、あとは、他のカテゴリーと同じ、日本の本が入っている。お粗末で泣きたくなる。 「日本の小説」は今日の時点で、14,329冊あるそうで、なんか沢山に思えるけど、実際中を覗くと、同じような作家ばかりだったり、ブック・オフの店頭で100円で売られてるような、なんというか、愛のないセレクションで、暗い気分になる。 インターフェースも、iPadでのiBooksに比べると、ひどくもっさりしてて、だいたい、ページ数が出ないで、"location"と"%"と"残り時間"って表示も全然分かりづらいし、ちょっとページを前後するにも、切り替わりが鈍すぎる。 と、文句タラタラなのである。 でも、でも、これ、うれしいです。海外にいながら日本語の本が買える、デジタルだけど目が疲れにくい、文字サイズの調整自由、暗闇でも真夏の太陽の下でもOK、いくら買っても嵩張らない!など、画期的ですね、e-paper eBookは。本格的に読書ができるデジタルデバイスなのです。口承文化〜手書きの本〜18世紀以降からマスの印刷物〜以来のビッグ革命じゃないでしょうか。 私はどっちみち、その昔、国をまたいだ引っ越しで本の量にうんざりして依頼、本はほとんど手元に置かないようにしてきている。(図書館の徹底利用と、買っても読み終わったら人にあげてしまう。)沢山の本に囲まれたい、という思いはあったし、今もあるけれど、物を所有することに、少し、うんざりした。紙の体裁にも、所有することにも、こだわることをやめた。だから、目に優しいハードウェアがあれば、おはなしは、データで十分。 で、ひどい、というセレクションにも、もちろん、名指しで思いついた作家を入れていくと、案外2−3冊あったりして、そういうのは、宝を探し当てたような気になる。 それにしても、どういうプロセスでKindle化しているのかしら。作家 x 出版社の組み合わせでの契約なんだろうけど、生きている作家は、既刊している複数の出版社から個別に交渉されるのだろうか。どの出版社が積極的にデジタル化をしているんだろ:文春文庫はよく目にするけど、新潮社は..慎重なのだろうか。筑摩とか岩波とか見かけない気がする、岩波こそ文字が小さいから是非デジタルに移行して欲しい。 ベストセラー作家であっても、かなり差があって、たとえば、伊坂幸太郎や重松清なんかは、複数の出版社から潤沢にリリースされているのに、宮部みゆきは一冊もない。(どうせ読まないけど。)村上春樹も一冊もなし。一部の作品だけを「お試し」デジタルリリースしている作家も多い。 亡くなった作家に関しては、よっぽど古いものであれば、ボランティアによってデジタル化されたものがタダで手に入る。読んでみたかった林芙美子の「放浪記」がタダで得した気分。けれど、好きな作家で、たとえば、吉田健一はない。内田百閒も一冊だけ。(読んだことない作品だったので即買い。) 印刷のコストがかからないのだから、長らく絶版になっている埋もれた名作を是非どんどんアップしてもらいたい:たとえば、なぜかポール・ボウルズって日本でずっと絶版しているそうですので、どうでしょうか。そして、うれしい発見がしやすいように、ショップのUIももう少し改善して欲しい。 って、文句が多いのは、もっとこれで読みたい気持ちでいっぱいだから。今後の発展を期待しよう。 == 1つのデバイスに数千冊分の情報が入れられる、他のタブレット端末に比べて劇的に電池持ちがする、一旦情報を入れればWifiなくてもOKということで、これを僻地の学校に送る国際的動きもあり、画期的な教育の普及も期待されているそうだ。 == 日本では多大なる要望に応え、防水版がでそうだけど、当面は、Ziplockに入れるとお風呂でもイケるそうです...(ここ参照。) # # #
by rflux
| 2013-02-09 05:45
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