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文章を書くときにいちばん必要なのは、おそらく親切心だろうと僕は常々考えています。相手が読みやすく、わかりやすく、受け入れやすく感じる文章を書くこと。それが大事です。文章というのはあくまで伝達のためのツールですから、読みにくい文章というのは、そもそも根本原理に反しています。 ◇◆◇◆◇◆ フト思い出して、好きな一冊を引っ張り出してパラパラ。 「ねたあとに」(長嶋有) 極上「大人の夏休み」小説。不思議な空気感と流れを持った、長嶋有著書で(今のところ)一番好きな作品。 小説家コモローとその父親のボロ別荘に、短い夏休みを過ごしに集まる大人達が、夜な夜な、勝手なゲームで遊びを繰り返す、数夏が描かれる。 始まりは、いきなり見ず知らずの仲間内の会話に放り込まれ、わけわからず、とても読みにくかったけど、そのうち、その場の空気にやんわり包まれ、どこかに存在するであろう「親しい仲間たち」との時間を楽しみだす。 物語は、コモローの友人の久呂子の一人称で書かれるが、これは、クロコ=黒子のことらしく、話を進めるためのクールなナレーター役。明らかにコモローは著者本人、父親も彼の父、他ももしかしたら実在の人々にだいたい沿ってるのかもしれない。 いいかげんな手作りルールのゲーム満載で、どれも味わい深い(&声だして笑う)。「顔」も面白いし、お気に入りは「それはなんでしょう」ゲーム。 彼の文才ぶりは、サイトにある経歴からも伺えます。 (ちなみに、古道具屋を経営する長嶋の父親は、つげ義春の「無能の人」の"石を売る"主人公のモデルだとどこかで聞いたんだけど、本当??) # # #
by rflux
| 2015-04-19 15:10
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