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初めてヒッチコックの「めまい」を観たのは、1995年、アトランタの美術施設内の劇場。
開演前、ある紳士がステージにあがって作品紹介をし始める: 「私の友人は、至ってまともな人間なのですが...『めまい』を50回観ているのです。」 なんと、50回同じ映画!!とひどく驚いたので忘れられない記憶である。 そして、この作品は、究極のサンフランシスコ映画、でもある。 だから、この作品を、サンフランシスコの由緒正しいCastro Theatreで、地元の人々と観られたのは、とても幸せな体験でした: なんで、この作品が、いつまでもあらゆる映画ベストリストにあがり続け、50回も繰り返し観るようなことを引き起こすのだろう。私は、これで4回目ぐらいの鑑賞で、プロットも各シーンも馴染みあるけれど、強く引きつけられる何かがある。 この作品の中に入り込むと、一種のトランス状態の、何とも言えない心地に陥るから、じゃないだろうか。メランコリックで、偏執的で、エロティックな、1つの長い夢の中。Kim Novakの遠い目線と、ささやく声に、フワフワと催眠術をかけられてしまう。 私の一番好きなシーンは、Muir Woodsで、Kim Novakが、大木の年輪を指差し、「このあたりで私は生まれて....ここで死んだのだわ...」と言うところ。黒いタイトなドレスに、純白のコートの襟を立て、黒いシフォンのスカーフをなびかせる、凛々しい美しさにうっとり。 また、今回は、1つ1つのシーンが、サンフランシスコ市内のどこで撮影されたか、目を凝らして探すのが楽しかった。 映画の始めで、主人公の旧友が、「今やこの街は変わってしまったよ、古き良きサンフランシスコは、もう見当たらないんだ。」と嘆くシーンには、劇場から笑い声が。2015年からすれば、1950年代こそ、古き良き、なのに!と。 # # #
by rflux
| 2015-03-02 03:27
| 観る (films & tv)
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