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ここ10年ぐらいで、心底驚いたことの一つは、村上春樹を嫌いな人がいるということだった。アメリカにいた90年代、私の周りの人は、村上春樹を、「大好き」か「知らない」のどちらかだった。親しい人は当然のごとく「大好き」派であった。
だから、日本に戻って、ある親しい友人が、話題にすると機嫌を損ねるぐらい、彼を「大嫌い」と知ったときは、ものすごいショックであった。その後、「嫌い」「興味無し」なんて人々が続々と回りに出没し、な、な、なんと...と、うろたえるばかり。 そのうち、大声で「村上春樹大好き」といえない空気を感じるようになった。彼の作品をとりまく「ハルキスト」とか自称するファン層がどうにも気持ち悪いのも1つの原因。 まあ、80年代後半〜90年代前半、彼の黄金時代の作品をリアルタイムで楽しめたのだから、幸せでした。(すっかり過去形。)一番好きなのは、「ダンス・ダンス・ダンス」。その次に、「国境の南」「世界の終わりと..」「ねじまき鳥..」あたりかな、あとは「納屋を焼く」など初期の短編。どれも何度も読み返している。 この週末は、全国の数百万人の方たちと同じく、「1Q84」Book 3 を読んで過ごしたわけですが、どうしても、2000年代の彼の作品は残骸としてしか味わえない。Book 1は、最高!と興奮し、Book 2 で一気に落胆と怒り。3は、2でムカついたことに、意味があったので、ちょっとは上向きでしたが。どうなんだろ???あの結末は。う〜〜〜ん。始めから読み直そう。 ちなみに、これを読みながら、煮て食べた「青大豆」はなんとも素朴な美味であった。 << 後記 >> Book 3 を読んでから、Book 1 & 2 と読み返したら、なかなか良かったです。初めて読んだ時は、彼と彼女は巡り会うのか否かが気になって、ページを早送りしてたんだけど、その辺が分かっていて読むと、文体の心地よさに集中できたのかも。(でも、相変わらず、彼の女性の描き方は嫌い。)私はあれはまだ続くんじゃないかと思うんだけど、どうでしょうか。だって、あれじゃ、オープンエンドが多すぎる、いくらなんでも。
by rflux
| 2010-06-09 22:26
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