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またどっぷりと素晴らしい映画に出会ってしまった。
I Am Love ( Luca Guadagnino / Italy / 2009 ) 年末、レンタルしたあとに、劇場公開されていることを知った。暮れ、まずはレンタルで観て、心洗われる思いをし、年明け、早速劇場にも足を運んだ。 なんてセンシュアルで、洗練されて、美しい映画だろう。 オープニング、モノトーンのミラノの街のカット、研ぎすまされた音楽、そして何と言っても出演者名の美しいタイポグラフィーに、衝撃的にメロメロ。ああ、素敵。 音、色、香り、手触り、味、すべてが生き生きと伝わって来る、まさに「感じる映画」でした。 そして、主役のTilda Swinton、実に久々、つまり、1992年の"Orlando"以来の当たり役だと思った。(彼女は「アート」すぎて嫌みな役が結構あって。それにしても、せっかくいつもと違って、正統マダムルック↑で始まるのに、最後のほうはやっぱり"Tilda Swintonルック"になってしまうのであった。) 続けて2回観たので、2回目は、人物関係がよくわかって、更にディテールが楽しめた。小さな出来事、心の動きを、Tilda Swintonの微妙な表情が、全て語っている。 とにかく、ひたすら、大好きな作品! == ■ 渋谷のBunkamuraで観たのですが、映像もサウンドも、イマイチだったのが残念。レンタルのデジタル画像のほうがずっと良かったな。 ■ 終了後の盗み聞き:カップルで来ていた男性は相当腑に落ちなかったらしい:「なんかさ〜、自分のせいであんななっちゃたのにさあ、最後あんなしちゃってさあ、どうなんだよ。最初から最後まで美味しそうなもの食べてばっかりで、腹減ったよ。」 ■ それにしても、邦題は、「ミラノ、愛に生きる」です。間違っちゃいないけど、なんかセンス悪い... "I Am Cuba"って作品がありますが、これも、そのまま、「私は愛」でインパクトあっていいと思うんだけど。 # # # ![]() 数年前、アルメニア・グルジア旅行で出会った中年の姉妹は、二人ともイスラエルのテルアビブ大学の教授で、何度か旅路を共にするうちに、イスラエルとユダヤ教について、みっちりと濃い話をきかせていただいた。(彼らはパレスチナ人の人権保護団体で活躍しており、イスラエルの国家政策にはかなり厳しい意見を持った人たちで、余計に話は興味深かった。) 彼らの生き生きとした語りは、私の中に、それまでまったく興味のなかった「イスラエル」を吹き込み、コーカサスの素晴らしい景色に包まれながら、更に遠いイスラエルという異国に思いを馳せた。 今回のマレーシア、ペナンの10日間の滞在で、そのメタ・トラベル(?)をしたのは、ビルマであった。 大晦日、長旅を終え、ペナンの山奥にひっそりと佇む宿に辿り着くと、チェックインの書類を渡された。そこには、すでに私の名前などが手書きで記入されていたのだが、何ともクセのあるマルマルした文字←。 パートナーがこれを見て、「なんかビルマ語みたい」とつぶやいた。 2日後、これがドンピシャだったことを知った。この書類を書いたマネージャーを含め、この宿で働いているほとんどが、ビルマ人だったのである。 三日目のディナーはビルマ家庭料理のフルコース。前の晩がタイ式だったので、だいたい似たようなものだけど、もう少しシンプルかつマイルドな印象。 そして、チェックアウトする朝には、ビルマ式ブレックファーストを用意してくれた。"Mohinga"というビルマでは定番の朝ご飯のスープ麺料理だそうで、これが、正直、食のパラダイスであるペナンにして、今回口にした一番感動的な美味しさだったかも。 細い米麺に、魚介のしっかりとしたダシ、ほのかなカレー風味と、ミントの香りのするスープをかけ、トッピングをしていただく。このスープが絶品で、まろやかで、優しい、初めての異国味。 本式には、このスープは、ナマズを長時間煮込むらしいが、今回はどうやらパックになったものを使ったらしく、ペナンのダウンタウン、ジョージタウンで、このパックがないか探してみたんだけど、見つからなかった。 宿には、これからビルマに行くという一人旅をしている人もいて、ビルマについて宿の人を含めて、少し話を聞かせていただいた。 ![]() その後、ジョージタウンのホテルに移ってから、ビルマ仏教寺院があったので、覗いてみた。これまた、向かいにあるタイ寺院と大きな違いがないようであったけど、色使いや世界観が不思議で新鮮でした。ニュースではちょうど民主化に進む兆しを見せているビルマ政権が話題となっていた。 ~~ (写真)山奥の宿近くから、麓を眺める。この宿で、ケータイもインターネットもテレビもまったく無しで、のんびり過ごしたお正月、自然の音と柔らかな空気が本当に気持ち良くて、幸せなひとときでした。 # # #
2012年の映画鑑賞は、旅先のマレーシア・ペナンにて、まさにYear of the Dragonにふさわしい作品でハデに幕開け:
The Flying Swords of Dragon Gate (「龍門飛甲」/ Tsui Hark / China / 2011 ) Tsui Hark 監督、Jet Li主演!これは観るしかないでしょう。そしてこれが、マイ3D映画の初体験となった。この監督とアクションスター、"徐克 x 李連杰"といえば、私にとっては名作"Once Upon A Time in China"シリーズなのだけど、その途中で彼らは仲違いしたらしく、今回は久しぶりのコラボだそうだ。(とはいえ、登場人物が多く、このポスターに写っている人全部主役みたいで、Jet Liはあまり見せ所がない。) ワイヤーやCGになってからのカンフーは好きでない、という意見もあるけれど、私は、カメラと人の動きの躍動とクリエイティビティがあれば、何のテクノロジーを使おうと気にならない。 無理に3Dにしているところもあったけれど、めったやたらこちらめがけて飛んで来る刀や槍や弓や鋲の嵐に、快感。そして、クラっとするような跳躍や、爆笑ぶっとびファイトシーンが満載で、アドレナリン出っぱなし。特にラスト近くの「渦中ファイト」、ここまでヤルかよ!のやり過ぎが最高。 女優も美しい人を揃えているし、ポスターの右後ろにいるワル王子とダメ男の2役をこなす男子がとびきりビューティフル。台湾のChang Chen かと思ったけど、何とさらに色っぽい、中国のKun Chenという俳優・シンガーであった。 3Dって、変なメガネかけ、脳に無理をさせて、頭痛と吐き気ですぐにダウンするんじゃないかしら、なんて怖かったんだけど、そんなこともなかった。(ただ、一つ疲れたのは、字幕。映像に奥行きが追加された一方、字幕文字は2次元で置いてあるから、ズレが生まれ、3次元の映像と、2次元の文字情報を同時追うのは、脳に限界を覚えてしまった。今回は、中国語とマレー語の字幕で読めないので、あまり見なかったけれど。) # # #
体調がすっきりしなくて、クリスマスデーはおうちでひっそり映画鑑賞。テーマは何故か、ティーンエイジ。
1) Submarine ( Richard Ayoade / UK / 2010 ) ![]() この人は、Channel 4のコメディードラマ、"IT Crowds" (「ハイ!こちらIT課」Wow-Wowで放送)で、ロボットみたいな、なんとも不思議にチャーミングなオタクITボーイで印象的だったが、次は監督業へと意欲的な飛躍。イギリスの片田舎に暮らす、15歳の少年のビタースウィートな青春物語。 とにかく映像が圧倒的に美しい。ちょっとしつこいぐらい、徹底して、夕暮れ前のマジックアワーで撮影。光と影を、時に淡く、時に鮮明なコントラストで捉えて、見とれてしまう。 すでに沢山比較されているだろうけど、小気味好いおしゃれなテンポはLouis Malleの60年代の名作「地下鉄のザジ」、内容とちょっとねじれたユーモアの使い方は、90年代のWes Anderson "Rushmore" を彷彿させた。 わがままな私の好みとしては、ちょっと固すぎ、というか、スタイルにこだわりすぎて、プロットの深みに少し欠けるように思ったんだけど、この新鮮な映像美とリズムの良さとユーモアの組み合わせは、かなり手応えあった。自作自演も観てみたい。 == 2) Glee: The Concert (Kevin Tancharoen / USA / 2011) テレビ番組、"Glee" のコンサート映画。オリジナルは3Dで劇場公開されたけど、その必要はまったくないような..。Gleeファンがおまけ程度に観て楽しむ映画作品でしょう。 テレビの"Glee"には今年、たっぷり楽しませてもらった。 オハイオの高校を舞台に、いじめ、人種、同性愛、肥満、貧困、身体障害、精神障害、ダウン症… と、現代アメリカの社会問題を片っ端から全部てんこ盛りにかぶせ、ひたすら歌い踊り、ベタな青春ストーリーでガンガン展開。乱暴なんだけど、めちゃくちゃ楽しい、ボリウッド的やり過ぎ娯楽。 そして、ただのエンタメとして、無防備に観ていたら、シーズン2の途中で、横からいきなり蹴りがぶっ飛んで来て、完全ノックアウト: ![]() ブレザー姿でさっそうと登場し、おもむろに歌いだすのは、"Teenage Dream"という曲。元はKaty Perryという女性が歌う、「化粧してなくてもカワイイって言ってくれるのね」といったガールポップスで、「あなたといると、ワクワクしちゃって、10代の頃の夢が実現したみたい〜」という内容。 で、まさにこのBlaineこそ、彼に恋する登場人物、視聴者、そして、この作品の脚本家やプロデューサーの、「10代の夢」なのである。つまり、この、歌って踊るピチピチキュートボーイは、Gleeワールドを生み出すゲイおじさま達の、まさに夢の像なわけです。(詳しい事知らないけど、想像で。)彼はオープンにゲイの高校生であり、話が進むにつれ、恋も花開き、まるで、日本の少年愛コミックのような展開(読んだ事ないけど、想像で。)に、…キ、キス!..そして!!と、なんか、不必要にドキドキしてしまい、無駄な時間が流れていくのでした。 彼は、アメリカでも爆発的に人気になり、シーズン3ですっかりレギュラーになっているけど、歌唱力やスター性が他のキャストより一回り上なので、番組としてのまとまりには良くないような気もする。(演じるDarren Crissは、20才過ぎのシンガーソングライターで、CDも出している、し、ゲイでは無いそうだ。どうでもいいですが。) それから映画にも飛び入り参加の、女優、Gwyneth Paltrow。シーズン2で、代理教師の役で登場する。歌がものすごくうまいのと、コメディーを実に自信たっぷり楽しんで演じていて、こんな幅広い女優だったんだ、と脱帽。 シーズン3の残りも楽しみ。Karan Joharプロデュースでボリウッド版も間近とにらむ。 # # #
購読しているイギリスの映画雑誌、Sight and Sound が、" Top 10 Films of 2011 "を公表した。
このリストに、先日東京Filmex映画祭で観る機会に恵まれた、素晴らしい作品が入っていたのが嬉しい: ![]() ( Jafar Panahi & Mojtaba Mirtahmasb / Iran / 2011 ) 「これは映画ではない」というタイトルの作品。この作品を「映画」と呼び、出演もしているJafar Panahiを「監督」と呼んではいけないのである。エンドクレジットでは、"Directed by" の代わりに、"An Effort by" (〜の貢献)として二人の名前が入り、"Thanks to"の欄には、空の点線が並ぶだけ。 Jafar Panahi氏は、国際的に名高いイラン人映画監督。(日本では、「白い風船」あたりが話題になったのかな。)2010年の3月に、イラン政府に逮捕され、結果、「脚本を執筆すること」と「映画を監督すること」を20年間禁止された。 その彼が、友人のドキュメンタリー作家であるMojtaba Mirtahmasbにカメラを託し、自分をカメラの中に入れたのが、この作品である。 基本的には、Panahi氏が自宅にて、Mirtahmasb氏に語りかけたり、電話で弁護士と話したりしている様子が捉えられた、ドキュメンタリーホームビデオ的な構成。 脚本を書いちゃだめだけど、以前書いた作品を朗読するのはいいよね、と、作品を読み、部屋の中に仮想ロケ現場を作って、映画を説明したりと、映画人生を断たれた苦悩が滲み出る。 悲しみの中に、おかしみもあって、それを捉える笑いのセンスも光る。 そして、話が進むうちに、あれ、と思われてくる。あくまでドキュメンタリーのフリをしつつ、絶妙に演出やフィクションが織り込まれているようなのだ。 現実とフィクションの曖昧な境界を遊ぶところ、実にイラン的というか、この状況を持って、芸術作品を作り上げてしまう、彼の、絶対屈しないぞ、という意思表示とクリエイティビティーの力に、BRAVO!! ラストの奇妙なクレジットに笑い声が上がり、終了すると場内は熱い拍手で満ちた。年間ベスト10に入ったのも、映画を愛する人々から彼に対する熱い声援がこもっている。 彼への制裁については、スピルバーグ、コッポラといったアメリカから世界中の映画関係者や人権保護団体からイラン政府に対して抗議の声が上がっているそうなので、是非取り下げになって欲しい。 あとは、この作品を観ると、断然イグアナをペットにしたくなるのと、彼の暮らすマンションの豪華さに、イランの映画監督って、超金持ちなんだ、と驚く、という楽しみ方もある。 ## さて、トップ10リストに戻ると、一位がダントツの"The Tree of Life" (Terrence Malick ) というのは、正直驚いた。投票したのは、主にイギリスの映画評論家たちで、偏りはあるであろうが。。東京でも夏に公開されて、すぐに観に行ったけど、残念ながら私にはまったく楽しめなかった。前作の "This Red Line" には痛く感動したんだけど、今回のあれは何だったんだろ。理解に苦しむ。 9位の "Le quattro volte" (邦題「四つのいのち」)は良かった。こんな高い評価を得ているのは驚きですが。6位に入った、トルコのNuri Bilge Ceylan、毎作品、評判が非常に高いのだけど、日本ではなかなか一般公開されない。 タル・ベーラ作品(6位)は、2月頃公開。ダルデンヌ兄弟新作(3位)も確実に日本に来るでしょう。4位、8位、10位あたりも来るだろうけど、2位のイラン作品、気になる。5位のフランス映画は、サイレント映画だそうで、話題になっている。 日本映画はさっぱり話題になっていませんが、唯一、三池崇の「十三人の刺客」は複数の投票があった。これ、映画館で観るつもりだったのに、見逃したな。 ちなみに、私個人のベストは、全然数を観ていないけれど、良かったのは確実にこのブログに書いてあります。 # # #
今年のTIFFは5作鑑賞。質の差はあったけれど、どれもそれなりに楽しめた:
-◇-◆-◇- Correspondencia Jonas Mekas - J.L. Guerin ( José Luis Guerín, Jonas Mekas / 2011 / Spain ) リトアニア出身、60年代から私的&実験的なドキュメンタリーを撮り続けるJonas Mekas(89歳)と、バルセロナ出身で「シルビアのいる街で」が話題となったJosé Luis Guerín(52歳)のビデオレター交信録。数分ごとにMakasとGuerínの「ビデオ文通」が繰り返される。 Mekasパートは、個性と雰囲気は伝わって来たけれど、手ぶれの激しいカメラ周りが辛かったが、J.L.Guerínのモノクロの映像と語りが素晴らしかった。 1レターのほんの数分に、記憶と、流れる思考、喪失へのメランコリア、今そこにいる空気感、といった断片を、削ぎ落した映像で捉え、彼の想いがボイスオーバーで入る。 NY、ヴェネチア、ポーランド...と異国をぼーっと眺めていたら、ラスト、Guerínの締めくくりに、突然、見慣れた景色が飛び込んで来る。...また泣けました。蟻を見ながらホロホロきちゃって、困ったもんでした。前回のTIFFで観た"Guest"も素晴らしかったし、新しい長編作品が待ち遠しい。(寡作のようですが。) -◇-◆-◇- Play ( Ruben Östlund / 2011 / Sweden ) ![]() 良くできているし、リアルなだけに、結構キツかった。現代ヨーロッパの人種問題と、暴力のサイクル、その不条理、緻密でクールなシネマトグラフィーなど、オーストリアのミヒャエル・ハネケに通じるところがあった。 -◇-◆-◇- Outside Satan ( Bruno Dumont / 2011 / France ) ![]() 宗教・文化背景が分からず、何か重要なメッセージを見逃した気がしてならない。ただ、北フランスの荒涼とした田園風景や、登場人物のいちいち気になる個性的な顔、ヒタリとピントの合った静けさなど、作品の持つ空気は好きだった。 -◇-◆-◇- Lonely Planet ( Edan Zeira / 2010 / Israel ) ![]() 上映後、監督とプロデューサーのQAセッションで、作り話と実話の境目の種明かしがあったが、それでも随分奇遇な実話である。 イスラエルの映画製作チームが、ある伝説を追い求めてロシアを横断する部分は、ドキュメンタリー風フィクション。登場する人物は、実在する人々だし、語る内容も彼らが言った事をベースにはしているが、完全にスクリプトを読んでいるのだという。 適度なユーモアがよかったし、何より、彼らが列車で訪ね歩くシベリアのうらびれた町々が、見捨てられた世界の果てみたいだし、そこに暮らす人々の顔や服装にも生活が滲み出ていて、ある意味衝撃的だし、新鮮だった。 -◇-◆-◇- Bollywood: The Greatest Love Story Ever Told ( Rakeysh Omprakash Mehra, Jeff Zimbalist / 2011 / India ) ![]() # # #
まずは今日の一言:
"... Even musical thoughts are sometimes inappropriate and they are poorly timed…it's like erotic thoughts in church; You have to bat them away." 「音楽的思考すら時には場違いでタイミングが悪いことだってある。教会における性的思考みたいに。たたき出さないと駄目なんだ。」 --- Tom Waits interviewed on Fresh Air, Oct 31, 2011. (妻と3人の子供を持つファミリーマンとして日常生活を送ることについて。) --+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+-- 水曜日の夜は、よみうりホールにて、ブラジルの歌姫、Adriana Calcanhottoを聴きに。数年前来日した際、予備知識ゼロで誘われるままくっついていって、大変楽しんだ。今回も、最新アルバム "O Micróbio Do Samba" (「サンバの微生物」)ツアーということだったが、聴きもしないままであった。 始め出て来た時は、不安定な声と、静まり返った空気に、これで楽しめるかしら、と思ったのに、ジワジワと場が暖まって来る、ライブの素晴らしさを改めて肌で感じた。 何て不思議な声だろう。フワフワと漂って掴みどころのない、小雨の午後の昼寝のような心地よさ。ヒタヒタと染み込んでくる、抑えたサンバのリズム。空気にただようサンバの"微生物"をつまんで音にしたみたい。 ![]() 背筋をピシリとのばし、シャープな眼差しのAdriana。おすまししたまま、おもちゃのスピーカーに向かって歌ってみたり、ロボットみたいなダンスをしてみたり、お面かぶったり、と、クールに遊んで楽しみ、楽しませる。中性的な魅力にクラクラ。 ベース、ドラム、ギターのバンドも、素晴らしい。シンプルな構成だけれど、特にリズムが、いくつもの音が小さく豊かに重なって、なんとも深みのある世界を作っていた。 とにかく気持ち良くて、柔らかに漂うリズムに身を任せた。始めのアンコールは、アドリアーナが出て来る前に、ドラムの人が何やら叫びながら演奏して、ギターの人がしばらくまともに演奏できないほど大爆笑。何やら楽しそう。 ラストになって、彼女が登場したそのオーラで、すでにヤバいと思った。「日本のみなさんに捧げます」といった上で、何か一言。それから静かな曲に入る。 一瞬経って、あ、そうか、"No More Nuclear"って言ったのか、と気付く。それからは、その美しい旋律、そして、何といっても、彼女が、その場で演じる事に込めた気迫というか、心に、完全ノックアウト。涙が止まらなかった。終わってもしばらくのあいだ、涙を抑えるのに困ってしまった。周りでも、「最後、泣けた〜」の声。 素晴らしい時をありがとう。ブラジル行きたい度、100%アップしました。 Eu vivo a sorrir (the official video on YouTube) # # #
秋ですね、やっと。食欲と同時に、映画見たい!の「Cine欲」もムクムクと沸き上がってまいりました。
今年の東京国際映画祭(TIFF)とFilmex映画祭のラインアップを確認してみた。知らない作品がほとんどで、本数は多いから、毎年のように迷ってしまう。う〜〜ん、お宝を探り当てたい。。 たとえば自分の好きな映画を50本登録したら、それをベースに、厳選&ここでしか観られないレア物の5本教えてくれれば、絶対全部観に行くんだけどなあ。ってゆうか、全部作品を見ている開催関係者にこっそり教えて欲しい!本当は、とにかく手当たり次第全部見たい。何が琴線に触れるかなんてわからないから。 TIFFのサイトは、お気に入りができ、スケジュール表でもそのお気に入りが分かるようになっていて、とても使いやすい。サイトデザインにもしっかりお金かけてます。 夏の始めにハマって猛烈スピードで3冊読破した、スウェーデン発のサスペンス長編小説、The Girl With the Dragon Tattoo シリーズ、ハリウッドリメイク第一弾の映画版も冬に公開らしい。一気にプロモーションが出始めた。 ![]() David Fincherが監督だというので、ワクワク。好きな監督ではないけれど、この作品にはまさに適任だと思う。映像が素晴らしいし、配役が、バッチリな様子。特にヒロインのLisbeth Salander、イメージ通り。唯一想像と違うのが、ヒーローのDaniel Craigだな。この役は、暖かみのある知的な色気のある人が良かったな。でも、バリバリ007のノリでも、ハードにかっこいいからいいか、楽しみ。 (相当端的で暴力的でえぐい話なので、好き、とはいえないけれど、とにかくローラコスター的にガンガン読ませる娯楽本です。) # # #
ラテンビート映画祭にて、インド映画、Zindagi Na Milegi Dobara (「人生は一度だけ」/ Zoya Akhtar / India / 2011)を鑑賞。
![]() 結婚を前にした友人のために、旧友3人でスペイン旅行をし、"人生の大切なこと"を取り戻して行く、30代男たちの青春ロードムービー。 なんの予備知識もなかったけれど、とりあえず、Hrithik Roshanを見に行った、ら、最高だった。なんていうか、「普通に」いい映画。"Sideways"ぐらいにいいんじゃないかな。 3人それぞれの、恋と、人生の悩みと展開がしっかりあり、スペインの観光もたっぷり、海や空やトマト(!)や暴走する牛(!)への豪快ダイビングも満載。ちゃんと笑えるコメディー要素も沢山。(Hrithikの"もしもし"シーンは、相当ツボにハマった...)更には、はっとさせられる「詩」までちりばめられている。 てんこ盛りの2時間半で、のんびりストーリーが展開するから、人によっては少しダレるかもしれないけれど、私にはちょうど良くて、ワクワクと思う存分楽しんだ。 ヒロイン役のKatrina Kaif、今まで好きになれない顔だったけど、始めて魅力を見出した。それぞれの役者の味をうまく引き出した監督の腕が光る。その監督は、主演の一人、Farhan Akhtarの双子の姉/妹だという。前作は、素晴らしいかった"Luck By Chance"。先日見た"Peepli Live"もしかり、若手女性監督の活躍が目覚しいのは、うれしい。 で、彼らの父親は、インド映画音楽の歌詞の巨匠であり詩人である、Javed Akhtar。この作品全編に流れる「詩」は、この彼の作品だったのでした。 # ところで、結婚を控えたKabir役のAbhay Deolという俳優さん、始めて観たはずだけど、気になってしょうがない。好きだなあ、この顔...どこかで見た...と2時間ぐらい思い続け、最後になって、分かった。そう、好きなアメリカの俳優、Mark Ruffaloにそっくり! ![]() すでにIMDbでも話題になっていた。(この"そっくりさん"リスト、なかなか面白い。) # 闘牛って、インド人から見たら、まさに「最低」なんじゃないかしら。どうなんだろう。 # #
今年前半に飛行機に乗りすぎて、体がガタガタになったので、夏は(1回の国内フライトを除き)陸生活を続けた。体のバランスが戻るのに2ヶ月はかかったように思う。
というわけで、久しぶりの海外は、北京: ![]() 日が照りつけなくて、湿度は高いが、最高22度〜最低19度ぐらいで、一日を通して半袖一枚で快適だった。 3日目の晩は、とある胡同エリアのおしゃれなCafe Sambalで、素晴らしいマレーシア料理のフルコースを堪能。まずは香りにそそられ、口に入れると脳も心もビリビリしちゃう美味しさ。ここ2-3年、Malaysia熱が高まっている。とにかく食べたい。Malaysia、待っててください、きっと食べに伺います。(偶然、大昔、学生寮でルームメートだったマレーシア人からFacebookの友達リクエストが来た。なんか繋がってる??) 楽しい会話とご馳走で満たされた後は、近辺の古い路地を散歩。お金とデザイン力を投資した、クールなバーなどが軒を連ねる。そして、これまたウルトラおしゃれなブティークホテル、3+1 Bedrooms に入り、見学させていただいた。コンクリートうちっぱなしの壁に、真っ白なベッド、ビビッドなライムグリーンのソファ。(この晩の"ツアー"は、目利きの方が、もろもろアレンジしてくださった。謝謝!)街の洗練も、猛烈なスピードで進んでいるのを実感。バブリーな北京。 # ![]() # # # ![]() 昨年インドで大変話題になった映画。映像も、編集も、サウンドも、ハッとさせるセンスのよさ。若手のフレッシュさを感じると同時に、こなれた監督力がみなぎっているが、脚本と監督をしたAnusha Rizviは女性で、これが初作品というから驚いた。演技派で政治的意識の高いスーパースター、Aamir Khanがプロデューサー。 インドの極貧農村部で深刻な問題となっている、農民の自殺、という大変重いテーマである。この、できれば目を背けたくなるような社会問題に、政治と汚職、権力主義の腐敗、メディアの狂乱、といったトピックをからめ、なんと、軽いテンポのドタバタ・コメディーに仕上げている。 先祖代々耕して来た自分の土地を、借金のため取り上げられてしまうことになった大人の兄弟。自殺すれば、政府から遺族に保証金がでることを聞く。ほんの話のノリで、弟が自殺する役を負わされることになり、その話をたまたま居合わせた新聞記者がとりあげ、選挙を控えた政治家たちもこれに加わり、どんどん話がおかしな方向に膨らんで行く。 貧しい側も「ピュアでイノセントな被害者」として片付けず、ずるさや、暴力、怒り、がある。どんな立場でも、皆が自分の生活とプライドを守るために、必死になればなるほど、シュールにバブルがふくれる、ばかで悲しい人間の様子を、強い愛情と批判を込めて物語にしている。 コメディとして、かなり誇張しているのだろうが、3回ほどインドを訪問した際にチラ見したかの国の報道状況からすると、かな〜りドンピシャに現実を捉えている気がする。 軽い笑いで見進めたが、ラストシーン〜エンドクレジットが流れ出したら、じわじわと涙がでて止まらなかった。 オープニングの音楽シーンでも、雰囲気が伝わるかと↓ 貧困農村部を舞台に、シリアスなテーマをコメディ形式で描いた秀作、という繋がりで、張芸謀の最高傑作の1つ、"The Story of Qiu Ju"(『秋菊の物語』/ 1992)を思い出した。 # # #
(前編からの続き)
後半3日間は、東京に戻り、"Sukiyaki Tokyo"に参加。富山でみたアーティスト3組を、それぞれたっぷり堪能。 // DAY 4. 帰りは驚くほど全てがスムーズで、予定通り夕方東京に戻り、夜は渋谷クアトロにてBombinoのライブ。 乾いたビートに、Bombinoのギターが絡まり、グルグルと回転し続ける。荒削りで単調なんだけど、まさにそれが気持ちいい。 会場にはここ数日の見慣れたメンツ。「あ、お疲れさまです、じゃ、また明日。」なんて、毎日"なんちゃって合宿"みたいで、なんか嬉しくなってしまう。(富山から付き添いのスキヤキフェスのスタッフ陣は相当タフなスケジュールらしかったですが。) 富山ののどかな田園風景から、いきなり渋谷の街にやってきた砂漠の民たち、いったいどんな思いで過ごしたのかな。 // DAY 5. いよいよ、Kaushiki。富山でのツイッター作戦も功をなしたのか、小さな会場は満員。 1時間ほどの長い曲(カヤル)と、3曲ほど各10分程度の曲を演じた。 とにかく、素晴らしかった。カヤルの前半は、スローなテンポで、さら〜っと流れるかと思うと、ウニャリと絶妙に曲がったり、なんともまろやかで、清らかさと艶やかさを併せ持った世界。心は完全に奪われ、柔らかに舞う彼女の手に、いいように転がされ、恍惚の境地に浸る。 声の高さに会わせて、両手が柔らかく糸を紡ぐように舞い、小宇宙を造り出すようだ。うっとり眺めながら、フと、音の宇宙を紡ぎ出す彼女の脳内には、何かビジョン(光景)が広がっているのではないだろうか、と思った。 ![]() 後半からは、だんだん、テンポがあがる。そのうち、これでもか!というぐらいの勢いで、声は震え、高く舞い、怖いぐらいにテンションが上がる。時に、トランスに入ったように、虚空を見つめる。 が、一節の即興を終えると、実ににこやかに、ハルモニウムとタブラの奏者と目を合わせ、うなずき合い、常に目や手でコミュニケーションをとっている。その笑顔を見ていると、「インド古典」なんていうと、身構えてしまうんだけど、難しいこと考えずに「楽しい」でいいんだなあと思った。 もう、完全に観客の心を鷲づかみ、彼女の意のままに、エクスタシーの世界に連れて行っていただいた。 カウシキ、が一般的なカタカナ表記で、ベンガル語発音では、コウシキ、となるらしい。 だから、仔牛妃、だな。なんて、失礼。お会いした印象は、上品、知的、チャーミング、でした。(Photo provided by D. ) // DAY 6. ラストはやはり、Amazighで。 「このライブを、福島の人々に捧げます。そして、どの国であっても、絶対に原子力に反対の意を込めます。」の言葉で、もう涙腺ゆるんじゃった、幕開け。 会場に、マルセイユあたりからこのために連れて来たんじゃないかというような、アルジェリアン若者が群れをなして、一番前で大盛り上がり。ワイノワイノと叫び続け、お行儀のよい東京の観衆がちょっと引きそうになっていると、Amazighも馴れたもので、アルジェリアン・アラビックで気軽にジョークをとばしたり、なだめたりしながら、そのエネルギーをうまく取り入れ、会場全体にいい"気"を送り返す。そして、ステージと客が一緒に熱く盛り上がった、素晴らしいステージとなった。 2時間半、じっくり楽しみました。疲労がどっと来て、後ろで観てたのだけど、アンコールの、"Koma"では、爆発して大騒ぎで踊りました。彼の力強いダミ声と、グイグイくる楽しいビートが最高の一曲!ソロとして、今後の活躍も楽しみです。また来て欲しい。 アルジェリア人たちが「アマジーグを大統領に!!」と叫んでいるように聞こえたけど、「アマジーグ、僕らの大統領!」だったのかな、いずれにせよ、希望の星、なんだな。 ライブ後、富山も共にした友人の第一声、「アマジーグ、今日は脱がなかったね..。」 ★ というわけで、夢のような6日間でした。そして、思ったのは、「音楽っていいな」...いや、もう、シンプルに、そう思いました。 # # #
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